デジタル一眼レフカメラで背景をぼかした写真の3つの撮り方
デジタル一眼レフカメラの購入を考えている方の多くが、背景をぼかした写真を撮影したいと考えているようです。
ただ、せっかく購入したカメラで思うように背景をぼかすことができずに結局手軽なコンパクトデジタルカメラやスマートフォンで撮影している方が多いように感じます。
お問い合わせの1番多い内容なので簡単に背景をぼかす為の3つのコツをご紹介します。
3つだけで驚くほど写真が変わるので、ぜひ実践してみてくださいね。
今回は「Nikon(ニコン) D5300」を使ってやってみたいと思います。
年の瀬に事務作業をしながらの記事なので、作例が事務所内の写真で申し訳ないです。
1. 絞り優先モードを使う
撮影モードは「オート」ではなく「絞り優先モード」を使います。
実は「絞り優先モード」は、プロも含め多くの写真愛好家たちが使っているモードです。コツを掴めばカメラに全然詳しくなくても素敵な写真が撮れるんです。
まずは「モードダイヤル」を「A」にします。
「A」モードにしたら、本体で手ぶれを抑えるためにちょっとした設定をします。
左上の「MENUキー」を押すと、液晶の左側にいろいろなアイコンが出てきます。その中の「カメラマーク」を選んでください。液晶右側の丸い十字キーでカーソルを下に持っていき、2ページ目の「ISO感度設定」を選びます。
初期設定では「感度自動制御」が「OFF」になっているので「ON」にします。
これをすることによって「絞り優先のAモード」でも「ISO感度」という数値が被写体の明るさによって自動で変化しますので、明かりの少ない場所でも光を集める感度が上がります。同時にシャッタースピードも速くなるので、写真がブレにくくなります。
「ISO感度」の数値は初期設定では「100」になっているので、そのままで大丈夫です。
「制御上限感度」は常用感度の「12800」でいいでしょう。
さらに「低速限界設定」という項目で「オート」を選び、一つ高速に振っておくと、よりブレを抑えるシャッタースピードに設定されるので、初心者の方にお勧めです。
さて「絞り優先モード」とは、その名の如くレンズの絞りを決めるモードなので、絞りを決めてあげます。
グリップを握ったときに、右手親指のところにあるダイヤルを回せば「絞り値」が変化していきます。
「絞り値(F値)」というのは、レンズを通ってくる光の量をコントロールするものなのですが、数値が小さいほど光を多く取り込み、大きいほど光を少なく取り込みます。
ただ、ここで覚えてもらうのは一つだけ。「絞り値(F値)」が小さいほどピントの合う範囲(被写界深度といいます)が狭くなり、背景がぼけるということです。
背景をぼかしたい方は、数値を1番小さくしてください。
「18-140mm」のキットレンズで使う分には、広く撮影する場合が「3.5」望遠にして使う場合が「5.6」という数値になります。
背景までしっかり写したいシチュエーション(集合写真や風景をくっきり写す場合)で「8」「11」など「大きな数値を使う」と考えると、楽です。
「1段絞った方が写りが…」とか「口径食が…」なんて、まずは気にしないでいいと思います。
※D5300のキットレンズではf値1.8はできません。
2. 望遠で撮影する
キットのズームレンズに「18」とか「35」とか「140」とか数字が書いてあるかと思いますが、この数字が大きいほど望遠側での撮影になります。
そして、大きいほど背景がぼけるんです。
試しに同じ「絞り値(F値)」で広角側(広い方)と望遠側で撮影してみますね。
これならよくわかると思います。
広角側 18mm f5.6
望遠側 140mm f5.6
望遠で撮影する際は、撮影者が被写体と距離を置かなくてはなりません。
ダブルズームキットなら「18-55㎜のレンズ(短い方)」は風景も残したい時に使用するのも手です。旅行などの記念撮影や、多人数の撮影に向いてます。
「55-300㎜(長い方のレンズ)」は背景をぼかしたい時や、モデルっぽく撮りたいときに良いです。被写体は基本1人か2人までが使いやすく、3人などの時は、顔をぴったりくっつける程に寄ってもらうと、みんなの顔にピントが合います。
3. 撮りたいものと、背景との距離をあける。
背景をぼかしたいなら、被写体のすぐ後ろに壁などがあってはダメです。
後ろが遠景になるようなシーンは絶好のぼかしポイントで、奥行きのある道などはボケによりの独特の奥行き感が得られます。
壁の直ぐ傍に被写体があるので、背景にもピントが合っているように見えてしまいボケません。
壁から離すことによって、適度なぼけが得られる。
おまけ:もっとぼかしたい、人物を明るく綺麗に撮影したい
「露出補正(+-)」で明るく撮影
シャッターボタンのすぐ側にある「+-」の書いてあるボタンを押しながら親指でダイヤルを回して、明るさを少し明るくして下さい。
「+1」にしてみて、明るすぎるようだったら少し暗く。逆光だったらもっと明るくしてもいいです。
人物の顔は明るく写す方が印象が良いです。
望遠でぼかす時は、被写体をより大きく撮影してみましょう
望遠レンズの1番望遠側での撮影ですが、上半身アップくらいから試して、全身など色々撮ってみて下さい。
上でも書いたように背景に壁などを選ぶのではなく、出来るだけ背景を被写体よりも遠くに離してください。
背景と被写体の距離が開くほどに背景がボケて被写体が柔らかく浮かび上がる写真になります。木や花などを持ってくると綺麗で、時間帯や角度によってはキラキラした丸いボケも出せます。
もっとぼかしたい
こんな方には単焦点レンズがお勧めです。
単焦点レンズとは「ズームができない」「ひとつの焦点距離でしか撮影できない」不便そうなレンズですが、かわりに大きなボケと切れの良い画質を提供してくれます。
キットレンズでは「3.5」とか「5.6」までしか小さくならなかった「F値」が「1.8」とか「1.4」などの物もあります。
こういったレンズでは、とろけるようなボケを楽しめますよ。
「Nikon(ニコン) D5300」には「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」が扱いやすくてお勧めです。
砂田忠男
若い時にニコマートのカメラを持った事がありますが、スナップ写真を数多く撮るだけでした。その後、アサヒペンタックスz1(約18万円)を購入しましたが、その直後にデジカメに変わりました。それで、小型コンパクトで加工も自由に出来るデジカメに魅せられて途中で投げ出しました。そんな訳で参考になりました。
冨永法昭
分かり易い説明で参考になりました。
有難うございます(^_^ゞ